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コラム 2024/08/09
福岡市博物館で出会う歴史の逸品:名物「日光一文字」と黒田家の秘宝
こんにちは。
今日は福岡県にある国宝のひとつ『日光一文字』についてご紹介します。
 

福岡市の観光スポットの一つである福岡市博物館には、歴史的な逸品が数多く展示されています。
その中でも特に注目されるのが、国宝に指定された「日光一文字」です。
この太刀は、13世紀に福岡一文字の刀工によって作られたもので、華やかな刃文が特徴です。
福岡一文字は古備前派の祖である則宗によって始まり、彼の銘である「一」にちなんで名付けられたと伝えられています。
この「日光一文字」もその流れを汲む作品ですが、無銘であるために作刀した刀工の個名は不明です。


日光一文字の由来には、戦国時代の武将・北条早雲が日光二荒山に奉納されていた太刀を譲り受けたという伝承があります。
その後、北条家の宝刀として重宝され、さらに歴史の波に揉まれて黒田家に渡ることになります。
小田原征伐の際、北条氏直が黒田如水に降伏仲介の礼として贈ったとされるこの太刀は、黒田家の秘宝として代々受け継がれてきました。
 

黒田家の宝刀として長い間保管されていた日光一文字は、1933年に国宝に指定され、その後1952年に文化財保護法による国宝として再指定されました。
この太刀は、黒田家当主の黒田長礼(ながみち)の遺言により、妻の黒田茂子から福岡市に寄贈され、現在は福岡市博物館で展示されています。
博物館に訪れることで、この歴史的な名刀を間近に見ることができるだけでなく、刀剣にまつわる様々な歴史や逸話に触れることができます。
 

また、この太刀は美しい葡萄文蒔絵の刀箱に収められており、当時の工芸品の精巧さや美しさを感じることができます。
福岡市博物館では、黒田家ゆかりの品々も多数展示されており、歴史ファンにとっては見逃せないスポットです。
刀剣だけでなく、戦国時代から江戸時代にかけての黒田家の歴史や文化にも触れることができるこの博物館は、福岡市を訪れる際に是非とも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 

このように、福岡市博物館では歴史の重みを感じながら、名品の数々を鑑賞することができます。
特に「日光一文字」は、その華やかで力強い刃文と、秘話に彩られた歴史背景が多くの人々を魅了します。
観光や歴史探訪を楽しむ際には、ぜひ福岡市博物館でこの名刀を堪能してみてください。

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