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こんにちは♪
今回は、ちょっと視点を変えて、江戸時代の福岡の魅力とその歴史的意義をたっぷりご紹介します。
現在の福岡が持つ活気と多様性、文化の厚みには、実は江戸時代のまちづくりと産業発展が大きく影響しているのをご存じでしょうか?
博多織や久留米絣、小倉織といった伝統工芸に、筑後川や遠賀川を使った水運、
そして九州を縦横につなぐ街道の整備――
福岡は“九州のハブ”として、経済・文化の中心地だったのです。
さあ、今回は歴史の扉を開いて、江戸の福岡を巡る旅へ出発しましょう。
◆江戸時代の福岡|2つの顔を持つ都市
江戸時代の福岡藩は、黒田家によって治められた「福岡城下町」と、商人と職人の町として独自に発展してきた「博多」の、2つのエリアから構成されていました。
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福岡城(舞鶴城)は政治と軍事の中心
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博多は流通・商業・職人の町
この二つの都市が、“軍政”と“経済”という異なる機能を担いながら共存していたのが、福岡の特徴です。
特に博多は、戦国時代から続く国際貿易港としての歴史を引き継ぎ、江戸時代にも商業都市としての力を発揮していきました。
◆商品作物と工芸の発展|江戸時代の福岡ブランド
江戸時代の福岡では、木ろう(漆器などに使う天然のワックス)や茶、藍などの商品作物の栽培が盛んになりました。
とくに注目すべきは、現在でも名を残す織物文化の発展です。
【 博多織(はかたおり)】
博多の商人が中国から技術を学び、改良して生み出された織物。
締めやすくゆるみにくい帯として、武士の礼装に欠かせない品となり、江戸でも広く流通しました。
【久留米絣(くるめがすり)】
18世紀後半、久留米の少女・井上伝が生み出したとされる技法。
藍染の素朴な柄が庶民に親しまれ、着やすく丈夫な日常着として全国に広がった織物です。
【小倉織(こくらおり)】
小倉藩の特産で、丈夫で光沢のある縞模様が特徴。
武士の袴に重用され、現在ではファッションや雑貨としても人気が復活しています。
これらの織物は、“福岡ブランド”の先駆けとも言える存在。
今も現代のデザインと融合し、暮らしの中に息づいています。
◆水運と街道整備|物流が支えた福岡の繁栄
江戸時代の福岡を支えたのは、発達した交通インフラでした。
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遠賀川(おんががわ)
→ 北九州と筑豊を結び、石炭や米を運搬する水路として重要
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筑後川
→ 久留米・日田・柳川などの町を結び、内陸と博多湾をつなぐ“水の大動脈”
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長崎街道、唐津街道、豊前街道など
→ 陸路でも、福岡は九州各地と本州を結ぶ要所に位置していました
このように、江戸時代の福岡は、“もの”と“人”が集まる結節点=交通の要衝として、
全国的にも高い経済的・戦略的重要性を持っていたのです。
◆現代に残る江戸の記憶|歴史を感じるおすすめスポット
・ 福岡城跡(舞鶴公園)
黒田長政が築いた福岡藩の本拠地。石垣や櫓跡が残され、春には桜の名所としても有名。
・ 博多町家ふるさと館
博多織や博多の職人文化を学べる体験型施設。
江戸〜明治の町家が復元されており、当時の暮らしを体感できます。
・ 久留米市立石橋美術館・久留米絣工房めぐり
久留米絣の歴史や技術を体感できる施設や工房が点在。
藍染め体験ができる場所もあり、手仕事の奥深さを学べます。
・ 八女福島の町並み(伝統的建造物群保存地区)
木ろうの生産地として栄えた八女市の歴史的な町並みも見どころ。
白壁の町家や和紙の工房など、江戸時代の商家の風情がそのまま残されています。
◆まとめ:江戸の福岡を歩けば、今がもっと面白くなる
「福岡=グルメや商業のまち」と言われる現代の姿には、江戸時代に築かれたまちの土台と人々の営みが深く根づいています。
商品作物を育て、モノを織り、町をつくり、人をつなぐ――
それは、今の福岡が得意とする“ものづくり”や“地域活性”の原点でもあるのかもしれません。
この春、いつもの散歩道に、少しだけ“江戸の視点”を加えてみてはいかがでしょう?
歴史のレイヤーを感じることで、見慣れた風景が新しく見えてくるかもしれません。